岩城けいのデビュー作となる小説。
著者はオーストラリア在住の主婦。子どもが幼稚園に入り、アフリカ系移民の母親たちを見かけるようになり、彼女らの事を書こうと執筆を開始した。
第29回太宰治賞受賞作。
オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。
筑摩書房 さようなら、オレンジ / 岩城 けい 著