俺は少年漫画が嫌いだった。まず、静電気を帯びたようなあの髪型が気に入らない。ジョー・ヤブキはよしとしても(?)そいつがしかも饒舌だったら―――。仕事の基本はメモを取ること、やべーよ、本当。日常って不思議なリズムだと思う。淡い憎しみが燃え上がる、お気に入りのボールペンも、都心から少し離れた街に構えた、古くも新しくもない3LDKの両親の家も。閑静な住宅街と都心の隅っこが交差する、退屈な街。眼を閉じて魔法の呪文を唱えたくなるコーヒー屋どころか、喫茶店もない。腕を組んだ写真がウザい、胃袋の重石になるラーメン屋もない。メンタル崩して、海外に失踪したくなる、タイとかマレーシア…