子供の頃、まんがの本の片隅にこんなことが書いてありました。 だれも通らない所に砂で階段を作っておくと、小人が歩くので砂に小さな足あとがつくでしょう・・・ ワタクシは母の実家のいなかへ行ったとき、裏庭の隅に小さな砂の階段を作ったのでした。 この本を読んでいたら、そのことがふっと思い出されてなつかしくなりました。 さて、この本『だれも知らない国』では、 ぼくがその小さな人に出会った日のことを、こんなふうに書いてあります。 小学校三年生のときだった。 もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。 小さないずみががわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふ…