『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その33 『ちえ者エルゼ〈KHM34〉』 【あらすじ(要約】 ひとりの男がいて、娘がいました。娘は「ちえ者エルゼ」と言われていました。年頃になったので、父親は「結婚させよう」と言い、母親は「そうですね」と言いました。 やがて遠くからやってきた者がいました。ハンスという名前です。エルゼを嫁にほしいと言うのですが、評判どおりのちえ者ならば、という条件をつけました。「この娘なら、より糸が頭の中に入っていますよ(利口なこと)」と父親は言いました。すると母親は「この子は風が通り抜けるのが見えたり、ハエが咳をするのが聞こえたりしますよ」と言いました。 ハンスは「本当にち…