『正法眼蔵』を見ていると、「とら」という語句が見られる。例えば、以下の通りである。 いま世界に排列せるむま・ひつじをあらしむるも、住法位の恁麼なる昇降・上下なり。ねずみも時なり、とらも時なり。 「有時」巻 これは、「寅」の字の訓である。そして、この字句に注目したいわけでは無く、今回の記事は以下の用法のために書いた。 ・人のおもふがごとくならば、大悟底人家常如何とら問取すべし。 「大悟」巻・これは、大悟は作仏のごとし、却迷は衆生のごとし、還作衆生といひ、従本垂迹とらいふがごとく学すべきにはあらざるなり。 「大悟」巻・いかでか古鏡に瑕生也ならんとおぼゆれども、古鏡の瑕生也は、歴劫無名とらいふをきず…