本作は高校教科書に採用されました。発表当時の作者を取り巻く状況を御存じの方であれば、芥川賞の選考委員や文壇に対する皮肉を自然に読み取ることができるでしょう。もちろん、背景を知らない高校生たちにとっても、寓話としての奥深さを十分に楽しめる内容になっています。 【要旨】 長い歴史を持つ名菓「とんがり焼」の新製品コンクールが開催される。 「僕」は現代的なとんがり焼を作って応募する。 一ヶ月後、「僕」の作った新しいとんがり焼の真贋が試される日がやってきた。 【とんがり鴉】 「名果とんがり焼き・新製品募集」の新聞記事を見て、「僕」は説明会会場へ向かいます。「僕」は菓子に詳しく、時間もあったので、試しに応…