「カヲルさん、善光寺に行かれたんですってねぇ。どんな様子だったのかしら?」 「ええ、ええ、お義母様。それはそれは結構なものでございました」 「あらそう、さぞや賑やかだったでしょう?」 「七年に一度の "善光寺御開帳" ですから、ええ、それはもう大変な盛況ぶり。とっても立派なものでございまして、オホホ、おかげさまで貴重な体験をさせていただきました」 「あらあら、それは羨ましい。ほんに、ご利益があるといいですわねぇ」 「お義母様のご長命も、僭越ながらお祈り申し上げておきました。ウフフ」 「まあまあ、それはご丁寧に。よく出来た嫁を持って、嬉しいわねぇ。謹んで御礼申し上げます」 「いたみいります」 「…