自然が語る ほろほろと山吹散るか滝の音、 という松尾芭蕉の俳句がある。この俳句についての解釈を新聞で読んだ。 これは、滝が語っていると。それを人が聞いた。そしてこの俳句ができた、と。自然が語ることを人間は聞くのだ、と。 この解釈は私にとって衝撃だった。俳句とは、季語をもとに、自然への感動を五七五として絵が見えるように、人が言葉にするのだろうと思っていた。 ところが、「自然が語っている」である。自然界に存在するから人間と月花雪には通じるものがあるのか。だが、言葉がある人間どうしですら国をこえたら言葉は理解不能ではないか。自然が語るとはなんなのか。 宝積という言葉があると最近知った。ほうしゃくと読…