『ほんとうにどんなつらいことでも、それがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく。 宮沢賢治』 心理学者の河合隼雄氏は、賢治作品における猫の役割の重要性をずっと考えていたそうです。 山折哲雄氏が、『風の又三郎』『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』の共通点として挙げた、「猫と風」というヒントから、風のつかまえどころの無さと優しさと荒々しさの同居、少しの隙間でも入り込んでくる点など猫との共通点を感じていると指摘しました。 賢治作品に登場する猫は、正にそのような性格を持って登場すると論じられています。 自身の信仰と農民とし生活しながら創作活動をした宮沢賢治の…