きびしくなったやさしさ*1によって、どんな現象が起きているのか、そして、やさしさ社会への向き合い方をまとめます。「こわれもの」としての自己きびしいやさしさ(予防的やさしさ)によって、ひとびとは「こわれもの」のようにあつかわれるようになりました。うかつにさわれば、すぐに傷ついてしまうのですから、慎重にならざるをえません。たとえば、子どものこころを傷つけるとこわいことが起きるというイメージです。傷つけないように傷つけないようにと、きびしいやさしさ(予防的やさしさ)で育てられた子どもが大人になって、「傷つけられたら、許さない」と無意識のうちに考えるようになったのではないかと、著者は述べています。傷つ…