ポン、と机の上に置かれていた本の、キャッチ―な帯が気になった。 「ダメ男小説の金字塔」 …気になる。読まずにはいられなくて、買って来た家族が読む前にわたしが読んでしまった。 ぼくのともだち 作者:エマニュエル・ボーヴ 白水社 Amazon 主人公はヴィクトール・バトン。パリ郊外に住む男で、戦争で左手を負傷し傷痍軍人年金をもらいながら生活している。職に就かず、身なりもみすぼらしい。そんな彼が日頃から精を出すのは「ともだち探し」だ。 彼には友達がいない。友達がほしい、その心に偽りはない。日々街に繰り出し、人に出会おうとする。この本には彼の軌跡の数々が、何とも切ないかたちで紹介されている。 …ここま…