頭から出てきた角は、クラスメイトにクロワッサンみたいだと言われる形をしている。腰から伸びた尻尾は、本人の気分に合わせて勝手に動く。15歳の吉田優子が朝目を覚ましたときに起きていたのは、そういう種類の変化だった。 家の中で一番落ち着いていたのは母親だった。清子は騒ぐでも慌てるでもなく、一族の事情を説明し、活動名まで用意していた。シャドウミストレス優子。長くて呼びづらいので、周囲からはシャミ子と略されることになる。 そこで渡される役目が、ご町内に住む魔法少女を倒すことだ。吉田家は闇の一族の末裔で、光の一族との争いに負け続けた結果、力も運も封じられている。封印の中身のひとつが、生活費を月4万円までし…