著者:藤井太洋出版社:東京創元社 藤井太洋短編集11編。 技術的、社会的背景がしっかり考察されているため、 どの作品も読みごたえがあり、危機的状況であってもどこか希望も見え、 壮大でありながら身近にも感じられる世界観が著者らしい。 既読の「従卒トム」はやはり面白いが、それを別とすると「ヴァンテアン」 「羽を震わせて言おう、ハロー!」が特に好きな作品。 「ヴァンテアン」は思いも寄らない発想力と将来現実に起こりそうな気にさせる リアル感に引き込まれ、 「羽を震わせて言おう、ハロー!」は壮大な宇宙を舞台に展開するストーリーに 圧倒される。 中国での発表作品が多いので中国系の登場人物が多いのも特徴か。…