【あらまし】 夏のバカンスをスペインバスク地方の実家で過ごす母と3人の子ども。末っ子のアルトールは、男の子であることに違和感を覚えている。愛称のココ(男の子)と呼ばれることも嫌う。髪を長くして、マニュキュアをしている。プールは恥ずかしくて入れない。友達もできないが、唯一、養蜂場で知り合った女の子と密かに遊ぶ。 アルトールの個性を尊重する母に対して、周囲の人々は、男の子のようにさせるべきだと言う。その母も、アルトールが性自認の問題を抱えていることは、受け入れられない。 そんなアルトールも、養蜂家の大叔母には心を開く。自分には名前がないと言うアルトールに、「存在しているものには名前がある。名前がな…