【 講談社・手塚治虫漫画全集『やけっぱちのマリア』あとがき 】 「やけっぱちのマリア」は、まあ、いわばキワモノです。ちょうど、この当時子どもの性教育の見なおしが叫ばれ、「アポロの歌」の解説でもかきましたが、少年誌に大胆な性描写やはだかが載りはじめた時代です。このあと、ぼくは「ママアちゃん」なるタイトルの性教育アニメを作り始めています( タイトルは、その後「ふしぎなメルモ」にかわりました )。ぼくたちが少年漫画のタブーとして、神経質に控えていた性描写が破られて、だれもかれも漫画にとりいれはじめたので、こんなばかばかしい話はない、こっちはかけなくて控えていたのじゃないか、かきたくてもかけない苦労な…