●ヤスパース『精神病理学原論』 「もうかなりまとまりのない患者はこう述べた。『私には安らぎはこれっぽちおなくなってしまい、何千年もさまよい廻って、知らないうちにくりかえし生れ変っているのだが、こうなるのは世界の創造の力によるのだ。』(p.72) 精神病理学の事例であるが、輪廻転生の教義を自力で作り出す体験が存在することを、物語っていはしないか。 ●アモーダル知覚 たとえ、Nanay[1]のいうように様相なき知覚がimageryの働きだとしても、そのimagery自体が、フッサールの志向性分類によれば定立的準現前化であって、visualizationのような非定立的準現前化ではないだろう。 では…