絵画的表現の制限されたイスラム社会で花開いた、アラビア文字による書道表現。モスクなど建築物の装飾まで、広く利用される。多くの字体が存在し、細密さを極めたものが多く存在するのが特徴。 また、日本でいうところの「へのへのもへじ」に相当するような、シンプルな線でコミカルに書かれたものも一部存在する(花を描くなど)。
現代のイスラム圏では、アラビア書道で書かれた文字絵をステッカーにして張り付けたり、建物にペイントするなど、護符として使用されているそうだ。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のような香港映画でよく見かけるように中国では仏教の経文・文字がそのように使われていた(現在も?)。日本では耳なし芳一のように経文の文字に魔除けの力があるという信仰があった。キリスト教世界ではどうなんだろうか。兵庫県立美術館での魔女裁判展のパンフレットでは、感染症に対して、民間レベルでは、魔女のナイフを部屋に飾ったり、キリスト教の聖人の絵を描いた紙を、水に浸して飲み込んだりという記述を見たが、聖書の一節を書いたものを魔除け…
建築の壁面の装飾 筆は主に竹ペンだったが、現在はマーカーや日本製のアラビア書道用筆ペンなどが使われている。また日本製墨汁も使われている。 「点と線の美学」アラビア書道の軌跡 国立民族学博物館 パンフレットによると、「アラビア書道はアラビア文字を美しく書く手法を追求する芸術である。10世紀のバクダードで体系化され、主にイスラーム建築の装飾やクルアーン写本に用いられた」ということで、日本のウィキペディアによるとアラビア文字を用いるカリグラフィーということになっている。しかし、アラビア書道はクルアーンの一節を使用する。現代では縦書きのものもあるなど形式は多種多様だが、その内容はクルアーンの一節である…