「本を読むひと」 アリス・フェルネ デュランテクス冽子 訳 新潮クレスト・ブックス 2016年 評価 ★(読んでよかった。あるいは、損なし) ★は最高で三つです。 〈雑感〉 登場人物は、パリ郊外に不法に滞在するジプシーの大家族(家族長の母親に息子5人、その嫁4人、孫8人)とひとりの図書館員。 図書館員エステールは幼い子どもたちに本を読み聞かせるため、週に一度ジプシーの家族のもとに通う。彼女を「外人」と呼ぶ家族長アンジェリーヌはそれを容認する。そうした日々の中でエステールとアンジェリーヌ、本(お話)が大好きな幼ない子たちの間に少しずつ心が通い合う。 というお話なのだが、何も起こらない。いや、事件…