「けっこうな疲れ具合ですね」 イケメン鍼灸師はボクの身体を触りながら言った。 「先週は幼なじみとのツーリングだったので」 「どのくらい走ったんですか?」 「1,750kmくらいです」 「わ! そんなに?」 いつもの首と肩と眼精疲労に加え、 右肘が痛むことを話すと念入りに見て下さった。 「少し血を抜きます。 チクっとしますけどガマンしてください」 そう言うと後頭部の3ヶ所に何かを刺し、 消毒液を染み込ませたカーゼで拭きつつ、 血を絞り出した。 以前に担当してくれていた女性鍼灸師も、 たまに同じ事をしてくれて、 調子が良くなったのを思い出した。 「ちょっと頭部がむくんでいたので。 これで楽になると…