明治40年頃、柳田国男が信州佐久について「中島孤島君の故郷」とわざわざ記していたように、当時中島孤島と柳田国男は面識がある関係だった。 どこで出会ったかというと、それはどうやら柳田国男が主宰する「イプセン会」においてだったようだ。 「イプセン会」とは、柳田国男が主宰したイプセンを研究する会で、明治40年2月1日を第一回として、その後毎月1回開かれていた会だ。 ※イプセン・・ノルウェーの劇作家、詩人、舞台監督。「近代演劇の父」と称される。 第一回のメンバーは、柳田国男、田山花袋、島崎藤村、長谷川天溪、近松秋江、柳川春葉、小山内薫、蒲原有明、岩野泡鳴、前田木城、中島孤島、の11名であり、第二回の会…