「今からでも変えないと。事業主ではなく労働者、仲介者ではなく雇用主なのだと知るべきだ。 労災保険もないし、費用も全額自己負担。そんなのありか?現代版の奴隷制度じゃないか。 産業革命時代に逆戻りしたも同然だ。奴隷だよ、奴隷。勉強しないと抜け出せない」 『ヘルプ・ミー・シスター』は労働小説だ。高層でもなく中間でもなく、下層の。最下層といわれるような労働、プラットフォーム労働、ギグワーク等の「お仕事」を書いた群像劇。 語り手たちは皆家族なんだけど、みんなまともに働いていなくて、働けていなくて、それだと当然経済的に行き詰ってくる。その中で、「このままではいけない」と立ち上がるのがスギョンだ。 スギョン…