Pelham Grenville Wodehouse イギリスの小説家(1881-1975)
1881年イギリスに生まれる。1902年の処女作『賞金ハンター』以後、数多くの長篇・短篇ユーモア小説を発表して、幅広い読者に愛読された。第二次世界大戦後、米国に定住し、1955年に帰化。1975年、サーの称号を受け、同年93歳の高齢で死去した。
P.G.ウッドハウス
◎佐藤千夏のおすすめ本 P・G・ウッドハウス『スミスにおまかせ』(古賀正義訳、創土社ほか) 英国ユーモア文学の巨匠、P・G・ウッドハウスによる傑作の一つ。「スミスの頭にPを付けた」スミス氏が、持ち前の機知と行動力で、とあるお屋敷にまつわる騒動を見事に(そしてユーラスに)解決していく物語です。軽快な会話、個性的な登場人物、そして二転三転するドタバタ劇は、暑い日の気だるさも吹き飛ばしてくれるかもしれません。千夏もこの作品のファンで、雅也にその魅力を熱く語っていましたね。 残念ながら創土社版は現在絶版ですが、図書館などで出会えるかもしれません。 ◎千夏ちゃんスケッチ「スミスと舌打ちと私」 梅雨明けを…
「ジーヴスの事件簿」 P・G・ウッドハウス著 岩永正勝・小山太一翻訳 文藝春秋 2005年 執事ジーヴスとバーティのほのぼのコメディー。どれもこれもユーモアたっぷりで洒落ていて面白い。20世紀初めに英国で書かれ、イーヴリン・ウォーらが手本とした作品が21世紀の日本で読めるとは幸運と言えよう。
『世界滑稽名作集』(写真)は、ユーモア作家の東健而が編訳した滑稽小説のアンソロジーです。 五人の作家を選んでいますが、ジーン・ウェブスター、ドナルド・オグデン・ステュアート、P・G・ウッドハウスの収録作に関してはほかにも翻訳があるので、この本を無理して入手する必要はありません。 とはいえ、昭和初期の翻訳だけあって、大胆な省略や意訳、固有名詞や舞台の日本への置き換え、タイトルの変更などを行なっており(いわゆる翻案小説。こちらを参照)、そういうのが好きな方にとっては堪らなく魅力的でしょう。 また、東の軽妙な文体や語り口は一読の価値があります。古い割に安く購入できる改造社の「世界大衆文学全集」のなか…