マリアレーナとは、私のリオの家の近所に住むおばさんの名前で、彼女とはお互いの家の近くのサンバチームで知り合い、近所で服のお直しのお店をやっていたこともあって、超ド級に不器用な私は衣装のワンピースや普段着の丈詰めのお直しなどがあるたびに足繁く彼女の店に通っていた。 彼女はバイアーナ(カーニバルでも重要な採点対象のひとつである、主に高齢の女性で編成されたバイーア地方独特の長いボリュームのあるスカートを着けて参加するグループ)の一員として毎週チームの練習に来ており、会うといつも、娘よ~!と笑顔で抱きしめてくれ、練習後は危ないから一緒に帰ろう、などと得体のしれない日本人である私のことも気にかけて特別に…