血を分けた子ども 作者:オクテイヴィア・E・バトラー 河出書房新社 Amazon ★★★ 短編集。「血を分けた子ども」、「夕方と、朝と、夜と」、「近親者」、「話す音」、「交差点」、「前向きな強迫観念」、「書くという激情」、「恩赦」、「マーサ記」の9編。 小さなころからずっと、トリクとテランたちが一緒にしているのは、必要でいいことなのだ、と聞かされていた。出産のようなものなのだ、と。そのときまでは、ぼくもそう信じていた。どちらにしても、出産は痛いし血が出るものだとわかっていた。でも、これはまたべつの。もっとひどいなにかだ。ぼくはそれを目にする準備ができていなかった。準備なんて一生できないかもしれ…