ヒトが仕事しているって中、一人だけイスに座るっていうのは憚られるのだが、しかし座んないと、目を光らせて「座れっ!」――よけい気を遣わせてしまうらしい。 作業の合間に飲む水を、私にもすすめることを忘れない。あぁ、私はただ見てるだけなのに…と申し訳なさを感じつつも、せかされてコップに口をつける。そのとたん、キューっと一気に飲み干してしまいたい衝動がやってきて、自分の喉の渇きに気付くのである。 ミキサーが回る以上、生地の波は間違いなくやってくる。「終わり」というものがまだ遠い先の先、であることに、何度見ても、「そういうモンだ」と悟れない。「何度」といったって、二、三年に一回、それも三日やそこら滞在す…