季節は夏。僕の恋は一つの終わりを迎えた。夏休み前の一週間というのは大きなテストが終わり、授業もあまり進まなくなって、来たる夏休みに胸を弾ませ浮ついた気分になる。そして充実した夏休みを送ろうと無駄な妄想をし目標を立てようとする。あの時の告白も恋人を作って夏休みに濃密な思い出を作ろうと思ってしたものだ。7月24日、僕は咲良さんに自分の思いをぶつけた。咲良さんはクラスの中でもそこまで目立つような存在ではない。この学校という場所の中では埋もれて消えてしまいそうな感じだ。けれども僕の目に彼女はそうは映らなかった。いわば一目惚れだ。光を宿してるのか怪しい瞳、黒魔術よりも真っ黒な黒髪、そんな黒とは対照的な不…