【79話】 リビングルームに足を踏み入れた瞬間、ソファに腰掛けたオヤジの存在が圧倒的な重みをもって俺に迫ってきた。 彼の眼差しは、普段の温和な表情から一転、厳しいものに変わっていた。 俺は、彼の正面にある椅子に腰を下ろした。 心臓の鼓動が耳に響くのが自分でも分かるくらいだった。 「担任の先生から電話があったが、おまえ授業をサボってるみたいだな!」 オヤジの声は、いつもとは異なる重々しさがあった。 この状況で、普段ならば母が仲裁に入るのだが、今日は異例の沈黙。 俺は、自分の言い分を全部話した。 オヤジは黙って聞いていたが、最終的には「話は分かったけど。授業には出ろ!」と一言。 沈黙が部屋を支配す…