私は、西アフリカのギニア湾に面した旧仏領ダオメー(現ベナン共和国)を、1970年9月に訪れた。ダオメーは南北に細長い小国である。同じ赤道アフリカでも東と西とではえらく違う。東は高地で住みやすいが、西は低地で、湿気が多く、病原菌が巣くっており、ヨーロッパ人に「墓場」「地獄」と恐れられているほど蒸し暑いのである。 ガンビエの水城部落はこうした自然環境を考えてか、原住民たちはゲタバキ住居を構えて、水上生活をしているという。それを見物せんものと、商業都市コトノオから17キロ北にあるアボタイ、カラピーまでタクシーで行った。 タクシーを降りると、小さな運河に船着き場があった。カヌーが10数隻もやっているが…