ガヴァネス―ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち 作者:川本 静子 みすず書房 Amazon 『ガヴァネス-ヴィクトリア時代の<余った女>たち-』川本静子著を読む。 『我は、おばさん』岡田育著に取り上げられていた本。 ヴィクトリア時代、19世紀の英国では「成人男性の海外移住や晩婚化」が進み、「中産階級のレディたち」にとって嫁ぎ先を見つけるのは容易ではなかった。また、レディにとって働くことは、体面上よろしくないものだった。労働は下々のもの。 ガヴァネスとは「住み込みの家庭教師」のことだが、この職業に就くことは世間的にもレディのプライドから見てもよろしいものとされる唯一のものだった。 当時のいわば花…