ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ (白水Uブックス) 作者:キルメン・ウリベ 白水社 Amazon ★★★ 「僕」ことキルメン・ウリベは、ニューヨークの大学で講演するため、バスク地方の都市ビルバオから飛行機で旅をする。彼は創作のための情報収集をしていた。画家のアウレリオ・アルテタや建築家のリカルド・バスティタ、漁師をしていた自分の家族のことなど、断片的に物語っていく。 記憶の働きというのは不思議なものだ。僕ら自身の思い出し方によって、かつては現実だと思われていたことがフィクションへと変貌してしまう。少なくとも、そうしたことが家族のあいだでは起こる。僕らより先立っていった人々のことを記憶に留める…