原 雅明 ドス・サントスは、シカゴを拠点に活動するラテン系バンドだ。僕がこのバンドに興味を持ったのは、International Anthemからリリースされた音源がきっかけだった。シカゴの新しいジャズの流れをフォローし、ポストロックのレガシーも受け継ぐようなリリースを続けるレーベルにあって、中南米をルーツに持つサウンドのドス・サントスは少し異色の存在だった。しかし、昨年秋にリリースされた最新アルバム『City Of Mirrors』は、ラテン系バンドという枠を超えた広がりのある音楽性を打ち出し、しかも従来のよくあるハイブリッドなポップさとは異なる音楽を成立させていた。なぜ、この音楽が生まれた…