簡単に言い過ぎかもしれないが、ニュージャーマンシネマというのはナチスによって受けたダメージに対しての作家たちによる批判という側面はあると思う。アウシュヴィッツ以後に詩を書くのと同様、映画を撮ることも野蛮なのだ。ヒトラーが利用した映画メディアに対し、反省がなければ、どんな映画を作ってもプロパガンダと何ら変わらない。 ヴェンダースは元は画家を目指していたが、寒さを凌ぐために通ったシネマテーク・フランセーズで出会ったアンリ・ラングロワの影響で、映画作家を志したとも語っている。彼は根は典型的なアプレゲールではないか? 苦い敗戦国家のナショナリティを捨て、異国の文化に熱狂する。実際、彼は『世界の涯てまで…