『クリスマスと結婚式』 ドストエフスキー 米川正夫訳 オーディオブック 「無名氏の手記より」とある。 語り手の無名氏は、とある結婚式と行き合う。彼は5年前の出来事を思い出す。 5年前、語り手は大みそかの夜に子供の舞踏会に招かれた。子どもの会というのは口実で、実際には親たちがさまざまな思惑の伴った雑談をするのが目的のようだった。子どもたちのクリスマスプレゼントもそれぞれの境遇、主催者の思惑によりはっきりと差別されたものだった。 主催者の家庭教師の息子は一番最後に挿絵もない薄っぺらな本をもらった。ある少女は美しい人形をもらった。その少女は裕福な実業家の娘で、その年でもう30万ルーブリの持参金を約束…