美しい星 (新潮文庫)作者:由紀夫, 三島新潮社Amazonおもしろーい。信頼できない語り手というか、信頼できない作者というか。自分は宇宙人だと断言する胡散臭い家族がまあまあでかい騒動を起こすドタバタコメディ寄りの話として読むのが素直だと思う。暁子を妊娠させた後に失踪した竹宮について重一郎がウソをついたり、重一郎の癌について一雄や暁子がウソをつくといったエピソードも、たぶん大杉家が宇宙人だというのはウソだという部分に対応している。核兵器だの近代文明批判だのはけっこうマジで言っている部分もあるとは思うんだけど、その一方でそういう主張が大杉一家やさらに胡散臭い万年助教授とかによって語られることで、…