ジョージ・ブリッジタワー 黒人ハーフの名ヴァイオリニスト ベートーヴェンは、前回取り上げたヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調の最終楽章が、ことのほか大規模なものになってしまったため、他の楽章とのバランスが悪いと考え、出版に際して、新しい楽章を作曲して差し替えました。 いったんお蔵入りになってしまったフィナーレですが、もちろんベートーヴェンもせっかくの力作を打ち捨てるわけがありません。 これに見合う第1楽章、第2楽章をいつか作るつもりだったはずです。 そのチャンスはすぐに訪れました。 ある名高いヴァイオリニストがウィーンに演奏旅行に来たのです。 その名は、クロイツェル…ではありません。 ジョー…