ゲット・ショーティ

はじめに 「人生は犯罪小説のようだ」と言われることがありますが、エルマー・レナードの『ゲット・ショーティ』はまさにその言葉を体現した作品と言えるでしょう。この小説は、犯罪とハリウッドという一見かけ離れた二つの世界を巧みに融合させ、読者を笑いと驚きの渦に巻き込みます。 『ゲット・ショーティ』は、単なるエンターテインメントにとどまらず、人間性や社会の矛盾を鋭く描き出しています。本作を通じて、私たちは犯罪者たちの思考や行動パターンを冷静に観察し、同時にハリウッドの華やかな表面下に潜む闇を覗き見ることができるのです。 本記事では、この傑作小説を深く掘り下げ、その独自の解釈や隠喩、そして私たちが学べる哲…

映画好きのヤクザ者のチリは、自分の親分が急死したことで、飛行機事故により死を偽装した洗濯屋が、保険金でせしめた金を回収することを対抗組織に命じられ、渋々、ラスベガスに向かう ベガスのカジノの元締から、ついでに映画プロデューサーの借金も回収することを依頼されロサンゼルスへ そこでプロデューサーと映画の話で盛り上がり、一緒に映画を作ろうという話になり、彼と付き合いのある女優とも懇意になり、背は低いが大物な俳優を何とか主役として契約しようと考える そこへまた、プロデューサーに金を貸している映画好きなギャングが、映画の制作と、その制作費と借金を巡り絡み 更に、マイアミからチリに仕事を頼んだ組織の男もロ…

ここ最近視たけどブログには書かなかった映画の一口批評(´_ゝ｀) ◆『ワイルド・タウン／英雄伝説』ドウェイン・ジョンソン。20年前の映画なので少しスリム。今の方が味があって好き。今のザ・ロックでやるなら、たぶん最初から無双し続けるストーリーになりそう。 ◆『ディープ・インパクト』いまや馬の方が知名度あるよね(´_ゝ｀)『アルマゲドン』は観に行ったけど、こっちは観に行かずで、「似た感じだしいっか」とずっと観ないままだった。改めて視ても、『アルマゲドン』観てたら視なくていい作品だった。 ◆『ザリガニの鳴くところ』たぶん、小説で読んだ方が面白い気がする。映像作品にするなら、主人公をもう少し魅力的に描…

（ネタバレ感想です。）先日読んだ『オンブレ』が最高だったので別のレナード作品ということで手に取ってみたのですが、とても面白かった。ただ、一筋縄ではいかない登場人物たちの思惑が絡んで、物語は予期せぬ方向へ…という妙味はあるものの、話が複雑になった分『オンブレ』のようなシンプルな力強さには欠けるかな。しかし本来レナード的とされるのは今作のような感じなんだと思います。 レナード作品を評する時に、「極悪なんだけど、憎めない悪役」という言い方がよくされるような気がするのですが、個人的には「欲望に忠実すぎて後先の考えてなさが呼び起こす事態がおぞましくて、小説なのに本当にいそうなところが怖い感じ」だと思うん…