connotation (特に「デノテーション」に対して)言語記号の潜在的な意味。 たとえば「日の丸」は「日本の国旗」であると同時にしばしば「右翼的図形」と認識されるが、 前者はデノテーションであり後者がコノテーションであるとされる。 デノテーションが普遍的であるのに対し、コノテーションの内容は個人に左右されやすい。 伴示、内示、内示的意味などとも表現される。
1.はじめに 言語記号には恣意性があり、想起される意味には個人差がある。にも関わらず我々は母語話者同士の会話は成立すると期待し、記号のやりとりを試みている。拙稿では恣意性や意味の差異の補足方法について検討する。 2.言語記号の恣意性と意味 「何らかの共通の意味を音や図形など、人間が知覚できる表象を用いて伝達する手段を記号(sign)と呼びます。音によって意味(事柄)を伝達するのが言語ですから、言語も記 号の一種だと言えます。スイス言語学者のソシュール(Ferdinand de Saussure)は、 記号を構成する要素のうち、意味をシニフィエ(signifié)(所記…
宮澤賢治「永訣の朝」を読み直す──翻訳を経由して── 佐藤伸宏(東北大学名誉教授) 宮澤賢治の心象スケッチ集『春と修羅』(大正 13・4)所収の「永訣の朝」は、妹の死をめぐる挽 歌として、人口に膾炙している詩篇である。この著名な詩について改めて考えるために、翻訳を参 照する。周知の如く賢治の作品は多様な言語によって精力的に翻訳が行われてきており、「永訣の 朝」に関しても少なからぬ数の翻訳が発表されている。それら複数の翻訳テクストを視野に入れて、 その原詩としての「永訣の朝」に再考を加えることにしたい。 翻訳研究に於いては基本的に、原文への忠実さ、正確さという 〈等価性(equivale…
その時、ウン、「その時」ってベンリ、ベンリ、どんな奇蹟が起こってもふしぎじゃぁないもんね/北川透「天狗ちゃんと目覚まし時計」 そうかも知れない。だが「その時」という直叙が今日という日はとりわけあっちに行っている。ここが「その時」の筈なのだが・・? つってもさあ、だからどうしたとアリソン・アトリー『西風のくれた鍵』(石井桃子・中川李枝子訳、岩波書店、1996年)に「雪むすめ」という一編を取りだす。「ファンタジー」は可能なかぎり寒い土地のことを読み手に思い浮かべるよう訴える。ファンタジーはいつもそう。とても北の・雪の・氷の国があったと言い、読み手はその悪びれない声音に対応して青かったり黒かったりし…
Photo by Quentin Rey on Unsplash そう、裏返すことができる。 オブジェクト指向 センテンスをカードに見立てる。 そうしたとき、「並べる」と「重ねる」という二つの操作があることを発見しました。 そんな大層じゃないですけど「並べる」と「重ねる」のメタファーでいろいろ考えることができるなあ、と遊んでたわけですけど。 もう一つ見つけました。 「裏返す」です。 カードに文章を書いて並べる。 そうした発想法の、カードに対する操作に「裏返す」がある。 カードには裏があって、そこにも文章を書くことができます。 その「裏の文章」を表に出すことで、発想を切り替える。 そんな隠し技が…
展覧会『崔明永』を鑑賞しての備忘録東京画廊+BTAPにて、2024年8月24日~9月28日。 画面を単色の線や面で塗り込める「Conditional Planes(平面条件)」シリーズ12点(キャンヴァスに油絵具かアクリル。1点だけ紙にシルクスクリーン)で構成される、崔明永(최명영)の個展。 展示作品中最も早い1978年制作の《平面条件 78C》(315mm×605mm)は、灰白色の絵具をローラーで均等に伸ばした作品。尤も画面は平滑ではない。絵具の粘性が高いために生じた漣のようなローラーマークが表情となっている。また、画面の周囲に食み出した絵具もそのままになっている。《平面条件 78C》の隣に…
パルメランの夢、だったかなあ。あの世界のことをふいに思い出した。そうしたら、私は私の大切なものを忘れていたのだ、と、切なくなった。忘れていたことすら忘れていたのだ。 本のことである。井辻朱美さんの本。 私は井辻朱美さんのファンタジー世界の感覚が大好きなのだ。絶対にどこか宮澤賢治の世界に通じている。賢治チルドレン、というのはみなどこか共通の匂いがする。この人は独特の鉱物の短歌をこしらえる歌人で、そっちの方や海外ファンタジーの翻訳が本業みたいなんだけど、私は彼女のオリジナル小説のほうがずっと好きなのだ。(漫画家のますむらひろしに関しても同じように思う。賢治作品の漫画化よりも、そこから派生したかもし…
目次はこちら↓ 1:恒例(?)の軽く自己紹介 2:前置き 3:2回目の帰倉のきっかけ 4:いざ、出発 5:あの時言えなかった「あれ」を。 6:1日目終了、あとがきへ 7:どうでもいいおまけ 1:恒例(?)の軽く自己紹介 Canopusと申します 邦ロック歴は今年で9年、ひなビタ♪リスナーは6年になります おすすめの曲は「水月鏡花のコノテーション」です(n回目) もう本当にね…良い曲なんで一回は聴いてほしいですね……… 2:前置き 今回やるのはですね…2回目の帰倉です!! 今回「Vol.9」のサブタイトルは「〜6年前に置き去った願いが今、ここに。〜」です (実はお蔵入り&未完成だったものを今回ブ…
こんにちは、Canopusです 今回はTwitterにてやっている「#音楽は心のビタミンだ」の投稿のうち、5月朝の1回目投稿で紹介した曲を紹介していきます〜 それでは、よろしくお願いします 目次はこちら↓ 5月1日(水) #27 5月2日(木) #28 5月3日(金) #29 5月4日(土) #30 5月5日(日) #31 5月6日(月) #32 5月7日(火) #33 5月8日(水) #34 5月9日(木) #35 5月10日(金) #36 5月11日(土) #37 5月12日(日) #38 5月13日(月) #39 5月14日(火) #40 5月15日(水) #41 5月16日(木) #4…
こんにちは、Canopusです 今回で今年1月の初帰倉レポ最終回(1/6)です 初帰倉もいよいよラスト、今回は倉野川市民お馴染み(?)のあのお店へ! ↓目次はこちら↓ 1:前回までのあらすじ 2:ついに最終日へ 3:本編 4:ロンロンは現実だった…!? 5:スタンプ集めがてら、ちょっと休憩 6:もう一つの目標、「混智恵流都」へ 7:シルバー賞2周目、結果はいかに 8:近づく別れの時 9:あとがき&次回予告 1:前回までのあらすじ 後半戦となる3日目、予想外のスタンプラリー2周目が始まった。 ついに念願の「ちくわパフェを食べること」を達成し、さらに相互さんに関金温泉に連れて行ってもらったCano…
こんにちは、Canopusです 今回はTwitterにてやっている「#音楽は心のビタミンだ」の投稿のうち、4月朝の1回目投稿で紹介した曲を紹介していきます〜 それでは、よろしくお願いします 目次はこちら↓ 4月5日(金) #1 4月6日(土) #2 4月7日(日) #3 4月8日(月) #4 4月9日(火) #5 4月10日(水) #6 4月11日(木) #7 4月12日(金) #8 4月13日(土) #9 4月14日(日) #10 4月15日(月) #11 4月16日(火) #12 4月17日(水) #13 4月18日(木) #14 4月19日(金) #15 4月20日(土) #16 4月2…
1:軽く自己紹介 2:前置き 3:初帰倉のきっかけ 4:遂に当日、未知の領域へと 5:(超☆今更)初見&振り返りたい方向け 5.1:倉吉ってそもそもどこ?? 5.2:そもそも「ひなビタ♪」とは? 5.3:メンバー紹介っ! 5.4:とりあえず、どこから取っ掛かればいい? 1:軽く自己紹介 Canopusと申します 普段は邦ロックのライブやフェスに出没しており…今年で邦ロリスナー歴約9年の人です ちなみにひなビタ♪リスナー歴は今年で約6年になります 2:前置き 今回はライブレポではなく…今年の初めに倉吉市へと行ってきた時の話です 「とあるもの」を手に入れるため…遂にここへとやってきました 前置きは…
1:はじめに 2:全てはここから始まった 3:いざ、本編へ。とその前に? 4:今度こそ本編! M01:花のやくそく M02:恋とキングコング M03:イブの時代っ! M04:めうめうぺったんたん!! M05:とってもとっても、ありがとう。 M06:虚空と光明のディスクール M07:地方創生☆チクワクティクス M08:ミラクル・スイート・スイーツ・マジック!! M09:ちくわパフェだよ☆CKP M10:完全無欠の無重力ダイブ M11:都会征服Girls☆ M12:漆黒のスペシャルプリンセスサンデー M13:ホーンテッド☆メイドランチ M14:フラッター現象の顛末と単一指向性の感情論 M15:滅び…
食通小説の記号学作者:真銅 正宏双文社出版Amazon買って以来幾星霜、もう本棚の一部かなというぐらいに溶け込んでいたものにふと目が行って ー それは目の前に並んでいたわけで ー 手に取って通勤電車で読んだ。食通小説なり食べ物エッセイなりというのは昔よく読んでいて、まぁ明治以降のそういう食通文学をあれこれとりあげて論じている。記号学、というけれどまぁ記号学記号学しているわけでもなくて、まぁ食べ物の味について文章で書いてもそれは味そのものではないわけで、しかし文章で表された味の質が文学の質として機能するんだから味とは文学のメタファーだよねみたいなことと、あと、あれこれの書き手や作品に登場する食味…
世界音痴 作者:穂村 弘 小学館 Amazon 病んでいたり弱っていたりする人特有の視線が常人には気づけないことに気づかせてくれることを称してニーチェが「病者の光学」と言ったと記憶してる。(この前ソシュールの「コノテーション」という概念を完全に履き違えてたことに後から気づいたのでこの手の話題には慎重にならざるを得ないけど。)その伝で言えば穂村弘さんというのは「病者」に当たるんじゃないかと思う。自らを「世界音痴」と位置づけるのもこの病者の自覚ゆえのことのように思われる。だからこの人はかなり変わった人ということになる。でもその感じ方や眺め方は時としてものすごい共感を呼ぶ瞬間をつくり出す。それはまば…
日曜日。晴。黄砂か。 ドラッグストア。スーパー、野菜が高い。なんでこんなにというくらい。老父の畑の野菜は、端境期なんだよねー、それで買わざるを得ない。 まわりの低山に山桜のピンクが点在する。一気にだな。 庭が花で埋め尽くされている。モンシロチョウだけでなく、アゲハチョウが飛び始める。 昼。曇。 長時間、ごろごろぼーっとする。空疎。この空疎さこそがわたしでないと、誰にいえよう。何の価値もない、意識の空白であり、たんなる怠惰である。こんなことをいくら繰り返したところで、精神の高みに至ることなどまちがってもあり得ない。意味のあることばかりしておられる忙しい現代人である皆さんに、何やら申し訳ない気持ち…
今日もラストまでバイト。お風呂に入って一杯飲み始めた今はすでに十一時を回っている。調子がよければ三十分で千字くらい書けることもある。でもバイト終わりじゃそんな気力もない。特にネタもない。だからこのブログの多くのエントリがそうであるようにその日あったことを適当に綴るしかない。と書いてきてわたくしは一体誰に対してなんの言い訳をしてるんだという気がしてきた。でもまあ誰かにエクスキューズしたい夜もある。それを許してもらえたならなんかうれしいし許してもらえなかったらなんか悲しい。ただそれだけのことだ。うーん何書いてるか自分でもよくわからなくなってきた。まあいい。先を急ごう。七時前に起きて家人がつくってく…