はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と六十六 「キョウシュウ ノ コークスストーブ」 あの頃の小学校の教室。やたらと木材テイスト。窓も扉も棚も机も椅子も、ドコもカシコもナニもカも、ほとんど金属感がない。中でも、とくに記憶に残っているのが、妙に黒々とした木の床だ、と、懐かしそうに語り始めたAくん。その後、コンクリートと金属とプラスチックの無機質な塊(カタマリ)にしか見えない、そんな、味気のない校舎キットのような建物が乱立する時代に突入していっただけに、Aくんが、ノスタルジックに懐かしむその気持ち、わからなくはない。 「ただし、毎年冬になると、ある日突然、そんな木材木材した教室に、存在感の…