害虫の誕生―虫からみた日本史 (ちくま新書) この本を読むと,明治期の日本人が蚊や蝿を徹底的に排除すべき 『害虫』とは考えていなかったことが分かりますラフカディオ・ハーンは,L・ O・ハワードの「蚊」を読んで,衛生害虫である「蚊」を知りながらも,「蚊の根絶」に否定的で,日本人の「前世の行いで蚊に生まれ変わる」という信仰に共感しています(p.96-98) また,ハエに関しても19世紀以前のほとんどの人々にとって「小さくてかわいらしい虫」でした1865年にアメリカで出版された絵本では「翅をブンブンいわせて歌う」ハエと赤ちゃんが楽しく遊ぶ様子が描かれています(p.117) こうした見方を一変させたの…