大昔、とある国際的ボランタリー・チェーンの末端にいた時のお話。ヨーロッパ中心のこの組織は毎年加盟国代表が一堂に集う国際会議を開催し、その運営は加盟国の持ち回りとなっておりました。参加者には胸に国名の入ったプレート(我々なら「JAPAN」)を付けてもらうのが習わし。日本がホスト国となった年、国際本部の作ったリストに基づいてイギリスには「ENGLAND」のプレートを渡したのですが、これにクレームが…。事務局にやってきた二人組の老紳士は静かに、しかし力強く宣言しました。『俺(の国)はスコットランド、こいつはウェールズだ。断じてENGLANDではない!』英国の人種問題に触れたのはこの時が初めて。交渉の…