シエネの歴史地区(1995年 登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ) イタリア共和国) <歴史的背景> トスカーナの丘陵地帯に位置するシエネでは、12世紀に市民による政治組織「コムーネ」が成立し商業、金融業の中心となる自治都市として発展した。それ以降、銀行家など大商人からなるコムーネが数百年の間政治をおこなった。シエネの北68㎞先には、同じように金融業で繁栄した都市国家フィレンツェがある。フィレンツェとシエネは商業による利権や領地などをめぐり、たびたび争ったが14世紀に起こったペストの大流行によって様相が変わる。シエネではペストの影響により10万人だった人口が3万5000人まで減少した。その結果16世紀中…