3.8中絶したい女とそれを手助けする女の設定はクリスティアンムンジウの「4ヶ月、3週と2日」(2007)を思わせる。が、ムンジウのはチャウシェスク政権下で、違法中絶をする話。社会派なそれに比べて、こちらは少女の心情に焦点があたっている。 妊娠した少女と従姉妹、ふたりが遠出して中絶をする二日間のようすを坦坦とえがく。 必ずしも諒解していない関係の結果、女だけが被る不幸──その理不尽・不公平を訴えたい都合上、男を下劣に描写しているが、出てくる男全員がプレデター(女を食い物にする輩)や変質者に描かれているきらいはあった。 その誇張は理解できるが、一人くらいはまっとうな男がいてもいい気がした。 映画に…