マルセル・プルーストの長篇小説『失われた時を求めて』~第四篇「ソドムとゴモラ」を読み終えた(1921年~22年刊、邦訳:鈴木道彦氏訳、集英社文庫)。 「ソドムとゴモラ」 物語の最初の部分は、第三篇「ゲルマントの方」の続きで、パリのゲルマント大公婦人の夜会が舞台、後半はフランス北部の海岸にある保養地バルベックが舞台となる。 冒頭で、主人公が偶然、ゲルマント大公の従弟シャルリュス男爵と元チョッキ仕立て職人ジュピアンの密会を目撃する場面が描かれ、ソドム(男性の同性愛)とゴモラ(女性の同性愛)が第四篇の大きなテーマになることが示唆される。ちなみにゴモラの方は、主人公の恋人アルベルチーヌに同性愛の経験が…