エリック・ロメール監督による1963年作『シュザンヌの生き方』について。 日常における支配 パッとしない主人公がおり、その親友は主人公を自分より下の存在として見下し利用している。しかし、主人公はそれを認めない。利用されているという事実を自分自身からも隠蔽している。親友はシュザンヌという女性を同じように利用しており、それを主人公は認知している。そのため、主人公にとってはシュザンヌと同じ位置に自分をおくことが、親友にとって自分が下であり利用されているという事実を認めることに繋がる。 親友はシュザンヌが主人公の下の存在であることを主人公に示す。下の存在をおくことで主人公と親友は共犯関係として利用する…