原 雅明 長年、日本で活動をしているジム・オルークは、まだシカゴに住んでいた1990年代末から2000年代初頭にかけて、Drag City傘下の自身のレーベルMoikaiでお気に入りの音源を紹介した。最初のリリースは、ポルトガルの作曲家ヌーノ・カナヴァーロが8ビットのサンプラーと8トラックのテープレコーダーのみで制作してプライベートプレスでリリースされた『Plux Quba』のリイシューだった。このアルバムは、1990年代にオルークやマウス・オン・マーズに影響を与えたことで知られる。Moikaiは、過去のリイシューもあれば、現行のアーティストのリリースもあった。その中に、ポルトガルのギタリスト…