第十三章:響き続ける音 ハープを売ったあと、しばらくの間、ジャックの暮らしは華やかでした。 贅沢な食事をとり、街で評判の酒場に通い、 着飾った姿で歩くことに誇らしさを感じていました。 けれど、そんな暮らしは長くは続きません。 金貨はどんどん減っていき、焦燥感が膨れるばかり。 そしてそれは、母も同じでした。 母の目に浮かぶ“もっと欲しい”という光―― それは かつて、空の宝を求め続けた自分の目と同じだ! と、気づいたジャックは目を逸らしました。 「あの巨人…ハープを奏でるな、と言っていた・・・ ハープを弾かなければ…母さんは、こんなにはならなかったのか?」 そんな後悔が、彼の胸を締めつけました。…