~ 追憶 バーテンダー ~ ブルーシートに包まれた大きな荷物を、 二つワンボックスの後ろに積み込み終えた由子は、 「そんじゃぁ行こっか」 と言って口角を上げた……………………………………… 病院に着き、 前回同様由子が電話をかけると、 出迎えてくれたのは院長では無く……、 あのときの犬だった……。 由子は気付いて居ないらしかったが、 あのとき歯科医師のところに居た犬だ。 ワンボックスの後ろに積んできたものは、 今回も担架を使って、院長と二人で運んだ。 運びながら犬のことを尋ねると、 「急に飼い主が居なくなったあの子が不憫に思えてね」 「本当は?」 「以前から狙ってたんだよ」 院長は声を出して笑…