2013年12月号掲載 毎日新聞郡山通信部長/藤原章生(当時) 「あんまり、こうマッチョにしないでねっていうか、こう、わかるだろ? マッチョっぽくされちゃうと、どうもさあ・・・」 アフリカを舞台にした2005年の私の本、『絵はがきにされた少年』(集英社文庫)はこういう書き出しで始まる。2001年9月の米同時多発テロに突き動かされて書き始め、4カ月で草稿を書き上げ、4年後にようやく出版されたものだ。 書き出しのセリフは南アフリカのカメラマン、ジョアン・シルバがヨハネスブルクの小さな自宅で私に語った言葉だ。戦場の話、戦場カメラマンの話をあまり正義感ぶった意味を持たせたり、ドラマチックに、大仰に盛り…