もう一つのディストピアSFに、ジョージ・オーウエルの『1984年』(1949刊)がある。17歳の時に読んで、こんな恐ろしい世界はごめんだと強く思った。 高校2年、夏休みの英語の宿題で、オーウエルの『Animal Farm(動物農場)』(1945刊) 数十ページ分を「和訳せよ」が出された。悲鳴とともにひどく汗をかいた夏だったが、この宿題のおかげで英語力がずいぶんアップした。ただ、私の英語力は高校卒業までで、その後はほとんど無為に終わった。 『動物農場』は、性悪な農場主(人間)を追い出し、動物たちが協力し合って理想社会を作ろうと努力するが、しまいには指導する豚が独裁者に変わり、恐怖農場になるという…