3.0こういった道徳的ジレンマの映画は、映画の実質のクオリティと、ストーリーから感じてしまう気分が天秤にかけられる。つまり、すぐれた演出演技でも、展開・顛末が引っかかって楽しめない──みたいな事態が起こったりする。 たとえばベンアフレックの初監督作として有名なGone Baby Gone(2007)はまさにそんな映画だった。手堅い演出力に支えられた高いクオリティの映画なのだが、ラストの主人公の判断が気にくわないとの意見が多く、映画評価自体が割れた。(ただし本来のクオリティを反映してGone Baby Goneは総じて高評価に落ち着いている。) 映画はサスペンスな展開を抜けると、絵に描いたような…